【06-05】ルシールとウインドクロウ
南の学生ルシールは、先の探検以後も一人で度々スポットに足を運んでいたが、あれほどの高揚感にはなかなか出逢えず、ハングリー精神が満たされない状態が続いていた。
ディエゴ山脈やジャングルにはレアな生物が多く生息している。ユニバースでの専攻は生物であるが、「いつかはまた会える」と笑顔で話すその心は、根っからの探検家だった。
続けること半年、ワシタカファルコンとも違う…緑を帯びた漆黒に深い絶望を感じる。悪魔的に枯れ木が似合う彼の名前はウインドクロウ。風を自由に操るカラスだった。
通常の5倍はあろうかという図体、全てを悟っているかの落ち着き、凄まじい威圧感に普通はたじろいでしまうものの、ルシールは違った。
かの大冒険を経て怖気づいたり怯むことなく冷静に見つめ返した。今までの輩とは一味違う度胸に、クロウは驚きを覚えたという。
そして、仲間にならないか?と逆に持ち掛けて、自らスナップに収まった。DB上のランクは「B10」。防御と体力はないモノの、高い攻撃力と知力を持つ。
今後、フィールドワークにおける目となり、冒険記の執筆に貢献してくれた。
<ウインドクロウ>