【06-03】海賊エデンの元船長
海賊エデンのブライアンとブギーマークという2枚看板は、ひしめき合う海の中で確固たる地位を築いてきた。
ライバルは北西のダークタートル。海賊の世界においては南北どちらかでのバトルが常であったが、次第にロケーションは中央付近へ移っていった。
海洋貿易への弊害を考えたナイトコアは停戦協定を提案する。南における地位の確立と新しい収入源の確保、北西における不可侵の保証等、双方にメリットのある協定案を作成し、それぞれに納得感があると受け入れられた。
停戦後、エデンは人知れず解散した。
また、ナイトコアは、ブライアンの人としての器の大きさを見抜いていた。彼が本当に活躍できるのは教育の現場だと確信し、サウザンドエディ構想の中心に添えることにした。
今でこそ多国籍の受入体制が整っているが、基盤整備の段階では明確なコンセプトが重要だった。海賊として他国を渡り歩き得たノウハウを存分に発揮し、「課題解決のために、自律的に行動する」という志も、校風として自然に広がっていった。
教育課程を修了し、クリエイターズラボという研究開発過程への道を設けたことで、長期間にわたるキャリア形成も実現した。また、育ち盛りの学生に充実した食事メニューを揃えたのも高い満足度を得た。
これら試行錯誤のうえ作り上げたシステムは、歴史的偉業と評されている。
なお、ブギーマークはサウザンドエディには入らなかったが、ディエゴ山脈のどこかで仙人になり、迷える人達のガイドとなったとの噂をちらほら聞く。
彼らは年に一度、麓の茶屋で「人生の反省会」という名目で、思い出話に花を咲かせているのだとか…もはや極みである。
<船長の帽子>